特別養子縁組で迎えた子どもと暮らしています。瑛子えびすこと申します。
特別養子縁組で子どもを迎えることを考えたとき、仕事をやめて子どもの委託を待つべきか、専業主婦でないとチャンスは少ないのではないかと悩みました。
共働きでも特別養子縁組ができるのか、可能か不可能かでいえば答えは「可能」です。
厚生労働省も「共働きでも里親になれます」とうたっています。
【共働きでも里親になれます】
子どもの養育に支障のない範囲での共働きは問題ありません。必要に応じて保育所や放課後児童クラブなども利用することができます。詳しくはこちら⇒https://t.co/HJtm8CkTDy#里親 #子ども #里親月間 #子育て pic.twitter.com/5YSuukmZTa— 厚生労働省 (@MHLWitter) October 21, 2019
ただし、注意点があります。
児童相談所からの特別養子縁組は地域によって大きく差があります。
共働きを了承している民間あっせん団体からの特別養子縁組でも試験養育期間や一定期間は夫婦のどちらかが子育てに専念すべきなど条件をつけている場合もあります。
共働きだと特別養子縁組は不利になる?
児童相談所からの特別養子縁組の場合
一般的な内容を記しますが、必ずお住いの管轄の児童相談所に確認ください。
児童相談所からの特別養子縁組で共働きがみとめられるかは児童相談所の方針によります。
夫婦共に働くスタイルでも問題なく委託する児童相談所もあれば、暗に専業主婦であることを求める児童相談所もあると聞きます。
特別養子縁組で子どもを迎えて、仕事を続けるためには、子どもが1歳未満なら育児休業を取得するという選択肢があります。
子どもの年齢が1歳以上であれば、保育園や幼稚園にあずけるのが一般的です。
ここで問題になってくるのが各児童相談所の保育園利用についての方針です。
①共働きが可能で、試験養育期間でも保育園利用がOK
※試験養育期間とは正式委託後、半年間のお試し同居期間のようなもの。
②共働きが可能だが、試験養育期間は夫婦のどちらかが育児に専念すべき
③そもそも保育園利用をよしとしない
本当に児童相談所の方針はそれぞれのようです。
①であれば、共働きが不利になることはないでしょう。
②なら、試験養育期間に育児休業が当てられればよいですが、1歳以上の子どもであれば育休の対象にならないので、休職を選ぶしかないかもしれません。
③保育園の利用ができないとなると、祖父母など親族にあずけるなどの選択も許されないでしょう。共働きのハードルは相当に高くなります。
そもそも保育園に空きがないと入園できませんから、お住いの自治体の待機児童の状態を把握しておく必要があります。
児童相談所によっては、里親が保育園や幼稚園の利用することだけでなく、レスパイト・ファミサポ・一時保育の利用さえ、制限する方針のところもあると聞きました。
まずは、地域の児童相談所の共働きや保育園利用の方針を聞いてみましょう。
児童相談所の方針次第では共働きを続けるためには民間団体を選択するしかない場合もあると思います。
もう1点前提条件として、確認すべきことは、地域の児童相談所から特別養子縁組前提の委託があるかです。
全国的に見ると、児童相談所からの特別養子縁組の委託がゼロの地域があります。
少し古いですがあるデータがあります。
「2013年に特別養子縁組を前提として里親委託した事例数が3事例以上あった児童相談所が17.3%であったのに対し、1件もなかった児童相談所が36.9%」
→約1/3の児童相談所が特別養子縁組前提の委託をしていない。
児童相談所からの特別養子縁組を希望する場合、どの地域に住むかが重要だとわかる結果。 pic.twitter.com/DJvSt9uJBN— 瑛子えびすこ (@eebisuko) September 13, 2019
お住まいの地域がそもそもの委託がない場合はその時点で残念ながら…の結果です。
委託はあるけれど、委託される子どもの数より待機している養親候補の数が圧倒的に多いような場合は表向きは共働きでも可能としながらも、共働きが不利になる可能性はゼロとは言い切れません。
なかには数百組の養親が待機している地域もあると聞きます。
児童相談所に確認しておくべきことは
- 年間何組の特別養子縁組が成立しているか
- 待機している夫婦が何組いるのか
- 平均で何年くらい待機しているのか
民間あっせん団体からの特別養子縁組の場合
民間あっせん団体の場合、共働きを認めている団体と認めていない団体があります。
共働きを希望するのであれば、「共働き可能」としている民間団体を選ぶことが必要です。
「共働き可能」としている民間団体を選べば、大きく不利になることはないでしょう。
共働きを認める、認めないというのは団体の方針によります。
今の世間の流れを汲み、共働きOKとしている団体もあれば、愛着形成に大事な3歳までの期間はお家でみましょうという方針で認めていない団体もあります。
数年前に参加した「babyぽけっと」の予備軍説明会では、登録をして待機に入ったらいつ委託の話があっても対応できるように夫婦どちらかが仕事を辞めてください、また委託後は最低3年は夫婦どちらかが育児に専念してくださいと言われました。(現在は2年になっている模様)
待機期間が何か月になるのか何年になるのかわかりませんが、3年以上は働くことが難しくなります。
babyぽけっとについては詳しくこちらに書いています。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/13/minnkann-erabikata-keiken/
共働きを認めている、あんさん協でも、子どもが1歳になるまでは夫婦のどちらかが育児に専念すべきと方針を出しています。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/21/annsannkyou/
ストークサポートでは「委託の連絡が来て、何日で子どもの受け入れができるのか」を申告しなければなりませんでした。
仕事の状況によって、それが、3日、1週間、1か月と変わってきます。
打診から受け入れまでの期間が長くなるほど、委託される可能性が低くなることはあると思います。
ストークサポートの詳細はこちら。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/25/stork-support/
共働きで特別養子縁組をするための条件
私が考えるに、特別養子縁組で共働きを続けるためには2つのクリアすべき条件があると思います。
1つは「職場の理解」
もう1つは「子育てを援助してくれる協力者の確保」です。
条件1 職場の理解
共働きで特別養子縁組をするのに、育児休業は必須ではありません。
1歳前の子どもを保育園にあずけながら、仕事を続けている養親さんもいます。
ただ養子(入籍前は里子の扱い)だからといって、優先的に保育園に入れるわけではありません。
→訂正
ある養親さんのブログで、保育園入園の可否について特別養子縁組での加点がある地域があるらしいと知りました。
しかし「子どもとの関係作りのための時間を大切にしたい」と「働き続けたい」を両立するには育児休業の取得が最も現実的な選択肢であると考えます。
特別養子縁組で育児休業を取得するハードルの高さは、突然、育児休業に入らねばならないことにあります。
妊娠からの出産であれば、10か月の準備期間(妊娠判明してからならもう少し短い?)がありますが、特別養子縁組はそうはいきません。
児童相談所、民間団体を問わず、特別養子縁組の委託連絡はある日突然来ます。
いくら法律的には特別養子縁組の試験養育期間は育児休業の対象になったといっても「生まれました!3日後に○○病院へお迎えに行って下さい」という展開からの育児休業を歓迎してくれる職場はかなり少ないと思います。
- 育休取得の可能性を待機になるタイミングより前に職場に伝えておく
- 突然の育休に備え、いつでも引継ぎができるよう準備しておく
民間団体によっては、待機になると同時に委託の話があるようなケースもあるため、職場には早めに伝えておく必要があります。
現実的な視点として、ある程度の期間勤務していて、信頼関係ができている職場でないと実現は難しいのではないかと考えます。
私たちが職場にどのタイミングでどのような説明をして、どんな準備をして、育休取得にいたったかはこちら。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2019/09/13/tomobataraki-zidousoudannjo/
条件2 子育てを援助してくれる協力者の確保
特別養子縁組で子どもを迎える過程で、夫婦2人では対応が難しい状況は多々あります。
突然の委託の連絡で育児休業に入る場合、仕事の引継ぎ等で、どうしても出勤しなくてはならない状況になることが考えられます。
有給休暇を使ったり、休職したりで対応できない場合は家族・親族・友人などに援助してもらえる環境を整えておくことが大切だと思います。
特別養子縁組の育児休業について詳しくはこちら。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2019/09/24/ikuzikyuugyou/
いろんな状況を考えると、夫婦二人で乗り切るにはきびしいことが多いです。子育てを援助してくれる協力者をできるだけ多く作っておくなど事前の調整が大事だと思います。
まとめ
共働きで特別養子縁組は基本的には「可能」です。
ただし、児童相談所の方針等によっては困難である場合もあります。
児童相談所が共働きを認めていない地域にお住まいなら民間一択。
職場の理解や子育てを援助してくれる協力者をえられるかが、可能にする鍵です。
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