特別養子縁組で児童相談所から迎え子どもと暮しています。瑛子えびすこと申します。
特別養子縁組の難しさの1つに「必ず夫婦単位で子どもを迎えること」があります。
夫婦のどちらかがどれだけ強く望んでも、もう一方が望んでいなければ特別養子縁組はできません。
他にも、家族に反対され説得を試みているうちに時間が過ぎて、年齢的に難しくなってしまったなどの話も聞きます。
特別養子縁組を希望する際にのりこえておくべき壁についてお伝えします。
特別養子縁組のためにのりこえておくべき壁
里親になるためにのりこえておく壁
①高齢という壁
②夫婦の足並みがそろわないという壁
③親族の反対という壁
④共働きという壁子どものいない夫婦のための里親ガイド https://t.co/TdwAw9HRhf
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) October 2, 2019
高齢という壁
特別養子縁組にも年齢制限があります。
特別養子縁組は子どもの福祉のための制度ではありますが、特別養子縁組で子どもを迎えることを希望するのは、不妊治療経験者が多いのが現実。
養子縁組への活動と不妊治療と並行することはできないわけではないですが、民間団体に登録する際に不妊治療をやめていることが条件であったり、さらには積極的な治療だけではなく避妊することを求める団体もあったりします。
養子を迎えたあとで妊娠し、近い年齢の子どもを2人育てることが大変だからという理由から団体はそういった方針をとるようです。
不妊治療のやめどきは、非常に難しいと思います。
とある不妊治療専門医が書かれているのを以前に読んだことがあります。
40歳を不妊治療の期限としていた人はやめられる人が多い。
40歳でやめられなかった人、もしくは40歳を過ぎて始めた人はやめるきっかけがなく、不妊治療が長期化する傾向にある。
私自身は40歳で不妊治療をやめて、特別養子縁組の道に進み、42歳で幸運にも児童相談所から委託の話をいただきましたが、40歳という年齢は本当にぎりぎりだったと思っています。
特別養子縁組は手続きに時間がかかりますし、児童相談所や民間あっせん団体に登録できても委託を待機する期間があり、時間的な見通しが立ちにくいのです。
特別養子縁組を何歳までに決断すればいいのかの私見はこちらをご参照ください。
子育てには体力もお金も必要です。
児童相談所や民間団体が養親の年齢を制限するのは、子どもが成人するまで(大学を卒業するまで)健康でいられるか、安定した収入があるかどうかの観点によるようです。
夫婦の足並みがそろわないという壁
4つの壁のなかで最も重要なのが「夫婦の足並みがそろわないという壁」です。
たとえ、家族・親族の反対にあっても、夫婦の意思さえ固まっていれば、必ず乗り越えることができると思います。
不妊治療もそうですが、特別養子縁組を目指すことも夫婦で取り組むプロジェクトのようなものです。夫婦のきずなが試される機会だと思います。
私たち夫婦も含め、周りの養親さんたちに聞いても、最初から夫婦でぴったり足並みがそろっていることの方が珍しいです。
夫が強く望んで妻はあまり乗り気ではないケース、逆に妻は望むが夫はそうでもないケースどちらも聞きます。
里親研修のときに出会ったご夫婦。
「奥さんがあまり乗り気じゃないけど引っ張ってきたんです。研修を受けて変わってくれたらいいな」と夫さんが言われていました。
先日、そのご夫婦に1年半ぶりに研修でお会いしたら、お子さんを迎え、とても幸せそうなご様子でした。
特別養子縁組は年間600組ほどしか成立しません。
周りに経験している夫婦がいる人の方が少数派だと思います。
知らないから怖い、わからないからやらない方がいいという消極的な理由で避けてしまっているなら、とりあえず体験記を聞きに行ってみる、研修に参加してみるなど思い切って一歩踏み出してみるのもありだと思います。
なかには養子縁組や血のつながらない子どもを育てることに強い偏見を持っている方もいらっしゃいます。
私も養子を迎えることに対して、少し差別的な意見を言われたこともあります。
その偏見がまた養子に出される子どもの事情を知らないことから来ている可能性もあります。
親族の反対という壁
特別養子縁組を考えていると両親に報告したら、反対をされたという話もよく聞きます。
特別養子縁組は子どもの幸せのための制度ですから、養子に出す側も迎える側も何ら恥じることはないんですよ、お父さん!
虐待のニュースに心を痛め、養子を迎えることを社会貢献的な意味合いですばらしいと言って下さる方は多いが、自分の娘や息子がするとなるとまた別の話だよとなるのはなぜだろう。
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) September 22, 2020
親族の反対は制度や実際に養子を育てる家庭をよく知らないから来ている場合が多いと思います。
反対していた家族ほど、実際に子どもを目の前にすると、メロメロになるというのは大変によく聞くあるあるです。
親族の反対に関しては、取り越し苦労だったで済むことも多い印象です。
親族と同居している場合は賛成がないと難しいと思いますが、そうでなければ親族への報告は事後報告でもいいのではとくらいに個人的には思います。
とにかく一番大事なのは夫婦の気持ちが固まって、同じ方向をしっかりむけていること。親族の賛成がなければ進めないと思う程度の覚悟ならあきらめた方がよいかもしれませんね。
共働きという壁
このブログのテーマの一つと考えているのが「共働き」です。
共働きを続けるためには、職場の理解・周囲の協力などが必要になってきます。
ある日突然連絡が来て、子どもを迎えることになる特別養子縁組は妊娠・出産をする場合よりも、共働きのハードルは高いと思います。
共働きで特別養子縁組は本当にできる?どんな条件がある?はこちらから。
特別養子縁組の育児休業についてはこちらから。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2019/09/24/ikuzikyuugyou/
まとめ
特別養子縁組で子どもを迎えるためには4つの大きな壁がある。
①高齢の壁、②夫婦の足並みがそろわない壁、③親族の反対の壁、④共働きの壁
初めから壁が1つもなかった夫婦はいない。
特に大事なのは②夫婦の足並みがそろわない壁。
夫婦の覚悟がきっちり決まっていさえすれば、あとの壁は必ず突破できる!
まずは夫婦でイヤというほど向き合ってみてくださいね。
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