0歳でいっしょに暮らし始めた子どもと特別養子縁組が成立した、養親の瑛子えびすこと申します。
私たち夫婦が特別養子縁組への乗り越えるべき壁にどのように向き合ったのか、特に夫婦の足並みがそろわない壁について書きました。
n=1の経験談としてお読みいただけたらうれしく思います。
4つの壁についての詳細はこちら。
高齢の壁
高齢の壁を乗りこえるために、一番大事だったのは事前に決めていた「不妊治療は結果が出なくても40歳でやめる」ことを守れたことだと思います。
決めていても、もう1回、もう1周期となってしまい、やめどきを逃してしまった話はよく聞きます。
夫とも、会社を含めた周囲にも、期限を公言していたので、やめやすかったのはあるかもしれません。
不妊治療の期限を決める、公言する、決めたことは守る、シンプルですが、ここに尽きると思います。
「私が不妊治療をやめられた理由」はこちらから
https://tokubetsuyousiengumi.com/2019/10/17/nannsaimade/
夫婦の足並みがそろわない壁
私たち夫婦も最も苦労したのはこの壁でした。
足並みがそろわなかったのには夫が抱えるある事情が大きく影響していたのですが、それはまた機会があれば書こうと思います。
ここでは私たちが足並みをそろえるために具体的に何をしていたかについて。
わが家で毎週末にしている家族会議です。
この会議は子どもを迎えた今でも続いています。
普段から夫婦の会話は多い方だと思いますが、きちんと「会議」としての場を持つことが効果的だと考えています。
どんな効果があるかというと
・普段の会話では言いにくいことも、会議の場では言えることが多い
・どう伝えたら自分の主張の説得力が増すか伝え方を考えるようになった
・話していくうちに「あっそうだ、これも考えたんだ」と広がっていく
・考えが言語化しやすくなった
普段の会話ではなかなか言いにくいこと、特に相手にとってマイナスであろうことも会議の場でなら言えるというのはお互いにありました。
相手が理解しやすく、共感してもらいやすい言い方で伝えると、話がいい方向に進むことも多かったです。
毎週土曜日などと決めて定期的に会議を開くことに加え、もう1つ大切なのは、話し合ったことを必ずメモしておくこと。
わが家ではアナログに「家族会議議事録」としてノートに書き記しています。
方法は何でも、簡単にスマホにメモするでもいいと思います。
会議内容を残し、翌週や、翌翌週に見返すことができるようにしておくことが肝心です。
その場の話し合いでは解決できなかった、継続検討事項を把握し、再度検討する機会を持ちやすくなります。
家族会議をしようと思ったきっかけは、ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」でした。みくりさんと平匡さんがそれぞれCEO(共同経営責任者)としての立場で家庭をマネジメントしていく様子に触発されました。
なので、いつも会議のときは頭のなかで真田丸のテーマ曲がかかります。
とにかく夫婦がまず向き合うことがスタートラインです。
親族の反対の壁
私たちの場合、両家からはっきりと反対されることはありませんでした。
父に特別養子縁組で子どもを迎えたいと話したときの様子を当時ブログに書いています。
父については性格をよくわかっているので、さほど心配はしていませんでした。
母とも「もともと子どもが大好きだからね。見たら絶対かわいがるよ」と話していました。
子どもと会うまでは複雑な思いでいた様子の父でした。
母は予定通り2週間、父は3日間滞在することに。
夫と話した。
なぜ父は最初から行くと言わなかったのか(初孫なのにね)
養子であることが関係しているのか。反対していたわけではないが、養子について「複雑だな」と積極的に賛成でもなかった父。
父の胸の内はまだ複雑のままなのかもしれない。
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) May 20, 2019
帰省したときにはおもちゃを用意してくれていました。
父は糸ちゃんのためになぜか打楽器や音が出るおもちゃを買い集めていた。
マラカスやタンバリンなどそろうなかで糸ちゃんが最も興味を示したのは、振るとカンカンと小気味よい音が鳴る木のおもちゃだった。
「そうか、そいつが気に入ったか」
父は目を細めて糸ちゃんの拙い手の動きを見守っていた。— 瑛子えびすこ (@eebisuko) August 28, 2019
子どもと一週間いっしょに過ごしたあとは父はすっかりメロメロでした。
父と糸ちゃん。
再会直後の号泣からのスタートだったが、共に過ごした1週間で変わった。
「チビ、こっち来るか」手を伸ばしヨイヨイヨイとあやす父に笑顔で応える糸ちゃん。
養子を迎えたいと話したとき「複雑だな」をくり返していた父。
お父さん、初孫はやっぱりかわいいでしょ?#特別養子縁組
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) September 3, 2019
夫方の親族のなかに子どもがいないご夫婦がいます。
そのご夫婦に私たちが養子を迎えたことを報告したとき言われました。
「すばらしいことをしたね。俺たちができなかったことをお前らはした」
数十年前に養子を迎えることを考えて、乳児院でボランティアをしたこともあったそう。
そのような話は初耳でした。
表に出さないだけで、子どもが持てないことに悩んでいる方が身近にいるのだなと知りました。
私たちの分までと応援してくださる方も多いのですね。
味方になってくれる方はきっといると思います。
反対していた家族ほど、いざ子どもを迎えたあとにはかわいがってくれるというのは、養子あるあるかもしれません。
共働きの壁
夫婦で同じ会社に勤めていることもあり、会社に理解してもらえたことが非常に大きな後ろ盾となりました。
夫婦で育児休業をとり、来年4月に復帰後は2人ともが子育てを最優先した時短勤務を希望しています。
私たち夫婦が共働きで児童相談所から子どもの委託を受けた話はこちら
くり返しになりますが、まずは夫婦が逃げずにがっつりと向き合うこと。
それに尽きます。
定期的に(強制的にともいう)話し合いの場をもつのもひとつの方法ですね。
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