養子の子育ては実子とどこが違う? 1年半の子育ての戸惑いと悩みをふり返る

養子の子育て

特別養子縁組で迎えた子どもと暮らしています。瑛子えびすこと申します。

特別養子縁組で迎えた子どもが1歳半になりました。
私たちは生後約2週間で子どもに初対面し、生後約1か月半でいっしょに暮らし始めています。

子育て自体の悩みは実子と共通していますが、養子の子育て特有の戸惑いや悩みがあります。

養子だからこその部分に焦点を当てて、約1年半の子育て期間を振り返ってみたいと思います。

 

妊娠・出産話にドキドキ

私たちは子どもを迎える前から共働きをするつもりで、子どもが1歳になった4月での保育入園を希望していました。

入園前に子どもが他の子どもたちと触れ合う機会を持てたらいいなと思い、地域の子育て支援センターに行きました。

生後3か月くらいで参加したとき、お母さんたちの話題が妊娠・出産になることが多く、心苦しい思いをしました。
その時の話題は

  • 妊娠期間は順調だったか
  • どこで(どの産院で)出産したか
  • 出産はどれくらい大変だったか

といったものでした。
出産直後のお母さんたちはまだ出産という大きなできごとの衝撃のなかにいるんだなあ、それほど重大で人生を変えるような経験をされたのだなあと思ったこともありました。

簡単に養子であることを告げるのは嫌、嘘をつくことも嫌だったので、妊娠・出産の話題になると、子どもを抱っこしたり、輪から少し離れたりして、話題に入らなくて済むようにしていました。

生後半年くらいで子育て支援センターが毎月主催する、0歳児が集まる会に参加するようになりました。
その頃になると、敏感になる話題は「母乳」くらいで、話題は育児の悩みが中心になっていたのですごく気が楽でした。

 

保育園選びのために訪れた園庭開放でもこのようなことがありました。

ドキドキする話題が不意にくるので油断できませんでした。
ほかのお子さんたちは将来子どもの同級生になる可能性があり、子ども本人の同意がないのに簡単に明かせないと思いました。

養子であることを誰にどこまで明かしたかについてはまた別記事を書こうと思っています。

 

遺伝情報がない

子どもを迎えた児童相談所からは実母(生物学上の母親)さんの遺伝情報はある程度教えてもらうことができました。
が、実父(生物学上の父親)さんの情報は皆無でした。
予防接種の予診票の質問に正確に答えることができず、大変に戸惑いました。

 

アレルギーについても同じです。
今のところ、何のアレルギーも出ておらず、困ったことにはなっていませんが、もし今後何か出てきたときには情報がほしいと思うこともあるかもしれません。

花粉症の有無、血液型などの話で、両親や兄弟に花粉症があるのか、お父さんお母さんは何型かなどの遺伝について話が及ぶことは日常よくあると思います。
養子として育つ子どもはそういった話題になったときに、どんな気持ちになるのだろう、ごまかしたりして気まずい思いをするのだろうか、と想像すると切ないです。
またはその頃には養子であることを明かせるような友だちがいるだろうかとも想像してしまいます。

 

実父母の容姿の特徴についても全く情報がなく(児相の担当さんに実母さんの容姿についてたずねたことはあります)将来どんな身長や顔立ちになるのか想像がつきません。

今は特に問題になってくることがないので楽観的でいられますが、将来、例えば骨髄移植が必要だとか、遺伝性疾患が疑われるような事態とかになれば、非常に悩ましい問題だと思います。

 

真実告知を少しずつ

真実告知とは育て親が子どもに血のつながりがないことを伝えることです。(単純にそれだけではないですが)
今は児童相談所から迎えても、民間団体から迎えても、必ず、子どもの理解に合せてはやい段階から伝えることが推奨されています。

私たちも子どもに少しずつ話をし始めています。

真実告知は養子の子育てにとって、最大の山場(試練)であると思います。

真実告知についてはまた別記事で詳しく書きたいと思っています。

 

養親仲間には何でも言える

同じ立場の養親仲間にはどんな話題でも気を使うことなく何でも話せます。
児童相談所との関係、市役所や病院での対応、家庭裁判所の申立て、実親さんへの想いなど、実子を育てる方には縁がない話題です。

リアルな養子縁組の親の会やtwitterの他の養親とのやりとりに救われたことは多いです。

子どもにとっても、血のつながらない他の親子の存在は大事になってくると思うので、つながり続けようと考えています。

 

実母さんの気持ちが変わらないかの不安

私の場合、精神的にいちばんきつかったのは「実母さんの気持ちが変わったらどうしよう」「子どもを返すことになったらどうしよう」という不安でした。
実際に私たちは同居から入籍まで約1年かかり、その間はずっと不安が続きました。

2020年4月に施行された民法改正で、特別養子縁組の申し立ての流れが変わり、実親は同意をしてから2週間経つと翻意できないしくみに変わっています。
実親にとっては酷な部分もあると思いますが、養親にとっては非常にありがたい改正だと思います。

 

まとめ

1年半の経験から言える、養子の子育ての実子の子育てとの違いは

  • 妊娠・出産の話題についていけない(簡単に養子であることを明かせない)
  • 遺伝情報がない(に等しい)
  • 子どもへの真実告知
  • 養親仲間が大事
  • 実母さんの翻意への不安

が挙げられます。

子どもを迎えてからの期間を振り返りました。
今後気持ちの変化や実子との違いを感じることがあれば書いてみたいと思います。

コメント

  1. […] 養子を育てて1年半をふり返って書いたものがあります。 https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/09/26/yousi-kosodate/ […]