
特別養子縁組で迎えた子どもと暮らす養親の瑛子えびすこです。
特別養子縁組で児童相談所や民間団体から子どもを迎えるとき、子どもの性別・年齢などを希望することができるのでしょうか。
結論からいえば、児童相談所、一部の民間団体で可能です。
経験をまじえてまとめます。
特別養子縁組で迎える子どもに障害がある可能性とどうむき合うかはこちらから。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2021/06/24/seibetu-eraberu/
児童相談所の場合
※児童相談所は都道府県やそれぞれの児童相談所によっても、指針が異なります。必ず管轄の児相に直接ご確認ください。
児童相談所から子どもを迎える場合、里親登録をして待機になる時点で、子どもの希望を確認されます。
- 年齢
- 性別
- 国籍
- 障害の有無
- 子どもが養子の対象になる事情
国籍が日本でない子どもが養子の対象になることはままあるようで、手続きが国籍が日本の場合より複雑になるようです。
子ども・実母が抱える事情のなかには
- 不倫
- 風俗
- 棄児(いわゆる捨て子)
- レイプ(実父、実兄などの近親間含む)
- 妊娠中の覚せい剤の使用
などがあります。
これらの事情のうち、どこまでを許容できますかと問われました。
私たちの場合、年齢は0〜1歳(育児休業をとりたかったので)、性別国籍事情不問で希望しました。
民間あっせん団体の場合
子どもの希望ができるどうかは団体の方針によって全く異なります。
家庭養護促進協会を除き、民間団体は新生児委託が主で、生まれる前や生まれた直後に養親希望者とのマッチングをするケースも多く、選択できないことも多いようです。
babyぽけっと
babyぽけっとの場合、夫婦が会員となる(待機となる)際には、必ず「どんな子どもであっても引き取る」という誓約書にサインを書くそうです。
どんな子どもでものなかには、性別・年齢・国籍・障害の有無も含まれると思われ、babyぽけっとは「選べない」団体です。
家庭養護促進協会(大阪)
家庭養護促進協会の場合は、他の団体とは流れが異なります。
毎日新聞の日曜朝刊に掲載される「あなたの愛の手を」で養親希望者を募ります。新聞記事には養子もしくは里子の対象になる子どもの写真と簡単な記事が載ります。
その記事を見て、「この子を育てたい」と希望者が手を挙げるしくみ。
家庭養護促進協会は「養育希望者が個別に子どもを選べる」唯一の団体です。
家庭養護促進協会についてはこちらに詳しく。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/14/anatano-ainote/
ストークサポート
私たちがアプローチした2018年時点では以下の希望を聞かれました。(現在は変わっている可能性があります)
- 性別
- 年齢
- 人種
- 人数(双子など一度に複数の受け入れが可能か)
- 必要準備期間(3日・1週間、2週間、3週間、30日から選択)
国籍ではなく人種を選ぶ項目があるのは、血の繋がりがないことが一目見てわかってしまうことを受容できるかを問われているのだと思います。実際、ミックスのお子さんも一定数いるようです。
説明会に参加したときには、未受診の実母さんが多く、年に数件飛び込み出産があるので、条件が全くない養親希望者がいると助かるとお話しされていました。
ストークサポートは「選べる」団体です。
ストークサポートについて詳しくはこちら
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/25/stork-support/
ベアホープ
私たちがアプローチした団体ではないので、詳しくはわかりませんが、ホームページ
には下記の記述があります。
よくある質問
子どもの性別は選べますか
→選ぶことができません
年齢が選べるかどうかの記述はありませんが
委託される子どもの年齢は赤ちゃんってだけですか?
→ベアホープで委託したお子さんの9割以上は0歳児ですが、最近の傾向として、ご年齢の高い養親さん希望者も増えてきており、それにつれて年齢の高いお子さんの委託も可能になってきています。
とありました。
ベアホープは性別は選べない団体です。
フローレンス
フローレンスのホームページより

子どもを選ぶことは出来ません。男女の選別、外見、容姿、血液型、体質、年齢等の希望は受けておりません。
フローレンスから受託された方が、「男の子、女の子、どちらが委託になるかわからないので、両方の名前を考えて、団体に申し出ていた」と書かれたものを読んだことがあります。
フローレンスは選べない団体です。
そもそも養親に選ぶ権利はあるのか
『特別養子縁組は子どもがほしい大人のためではなく、子どもの福祉のための制度』と説明会や研修でくり返し聞きました。
それなのに、養親希望者に子どもを選ぶ権利があるのか、悩んだ時期が私にはありました。
家庭養護促進協会の研修に出たときのことです。
養親希望者が子どもを選べるしくみにしたのは、
- 他の誰でもなく「『あなた』を迎えたかった」と子どもに伝えられる
- 自分たちが選んだ子どもだからこそ最後まで果たすべき責任感が生まれる
主旨の話を聞きました。
私たちも愛の手を見て、手を挙げた経験があるのですが、本当に私たちが養親にふさわしいのか、きちんと責任を果たせるだろうか、ものすごく悩みました。
選べるからこその苦しさでした。
選ぶ権利を行使するにはそれ相応の覚悟が必要だと感じた経験でした。
そして、選ぶ権利があるからこそ「選ばれない」が出てくる、きびしさもありますよね。
毎週愛の手をチェックしていると複数回掲載される子どもの存在に気づく。協会には養育希望者が名乗り出なかった子どもたちのファイルがあるそうだ。
選べてしまうゆえの残酷さもある。
掲載されるのは大阪を中心とした関西圏の子どもたちだが、迎える側は全国どこの居住でも可能だと知られてほしい。
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) September 18, 2019
希望条件が多いほど受託の可能性は狭まる
当然ですが、希望する条件が多いほど、委託・あっせんの可能性は低くなります。
しかし、委託の打診があったときにお断りするのであれば、初めから正直に希望を伝えておくべきではないかと個人的には思います。
まとめ
- 特別養子縁組で子どもの性別や年齢を選ぶことは可能なこともある。
- 民間団体によっては、どんな子どもでも受け入れるのが養親の条件になっている場合もある。
特別養子縁組で子どもに障害があったら断れるのか?はこちら。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2021/06/24/seibetu-eraberu/
子どもの性別が選べるかだけではない民間団体の選び方のポイントはこちら。

児童相談所、民間団体からの特別養子縁組のメリット・デメリットはこちらにまとめています。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2019/11/06/zidousoudannjo-minnkann/
コメント
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