
特別養子縁組で迎えた子どもと暮らす養親の瑛子えびすこです。
特別養子縁組をテーマとしてあつかっているドラマ・映画・漫画を紹介します。
一般的な書籍はこちらでまとめています。

テレビドラマ
はじめまして、愛しています
2016年にテレビ朝日系列で放送。
江口洋介さん・尾野真千子さん演じる夫婦のもとで暮らし始めた「はじめ」と名付けられた男の子。
最初全く口もきけなかった「はじめ」は少しずつ夫婦に心を開き、赤ちゃん返りをしたり、いわゆる試し行動をします。
試し行動とは、子どもが自分を本当に受け入れてくれるのか、親を試すように見える行為で、それがとても生々しくに描かれています。
家庭養護促進協会の岩崎美枝子氏(特別養子縁組界の重鎮)が取材協力していると知って、リアルさに納得でした。
コウノドリ
鈴ノ木ユウさん原作の漫画を綾野剛さん主演でドラマ化。TBS系列。

ペルソナ総合医療センター産婦人科が舞台です。
ドラマは第2シリーズまで放送されていますが、2015年第1シリーズの第5話が特別養子縁組の回。
中学生の少女が気づいたときにはすでに妊娠8ヶ月。
親同士の話し合いで出産して特別養子縁組に出すことになるのですが…。
女子中学生の無邪気さと妊娠の事実の重さのギャップがズシンときます。
コウノトリの5話
「14歳の妊娠 少女が母になる時」放送中は不妊治療中で養親の立場に入れ込んで見ていた。
今回は産んだ中学生に糸ちゃんの実母さんを重ねた。
痛みにもだえ泣き叫んで出産するもすぐに訪れる赤ちゃんとの別れ。
赤ちゃんの幸せのためと決意していても…胸が痛い。#特別養子縁組— 瑛子えびすこ (@eebisuko) September 25, 2019
朝が来る
2015年初版、辻村深月さんの小説が原作。
2016年東海テレビ、安田成美さん・田中直樹さん主演でドラマ化。

2020年には映画化もされています。
「はじめまして、あいしています」
「コウノドリ」
「朝が来る」
マザーズ
中京テレビ制作のドラマ「マザーズ」
2014年、2015年、2016年、2017年、2018年とシリーズで放送されました。
実母さんがいる過酷な現実を目の当たりにすると心が痛みます。
ドラマの舞台であるNPO「スマイルベビー」は民間団体「baby ぽけっと」がモデル。
マザーさんの役は室井滋さんです。
ノベライズ化もされています。
脚本 吉田紀子
ノベライズ 青山美智子
2016年
命のバトン
ドラマと、本物の養子縁組家族のかけがえのない瞬間を捉えたドキュメント映像を織り交ぜた演出で、命の尊さを伝える。
ドキュメンタリードラマ「命のバトン ~赤ちゃん縁組がつなぐ絆~」
-NHK https://t.co/8WI9vhcmMm— 瑛子えびすこ (@eebisuko) November 17, 2021
2021年放送、赤ちゃん縁組(新生児特別養子縁組)をテーマとした、NHK制作のドキュメンタリードラマ。
映画
夕陽のあと
特別養子縁組に関連した映画。
感情移入して、涙、涙。生みの親も育ての親も子どもと暮らすことを望んだとき。
どちらが子どもにとって幸せなのか?夕陽のあと #GYAOで無料配信中 https://t.co/wFJ0gKPq8t
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) November 8, 2021
無料視聴期間は終了しています。
ここでも描かれる実母さん(貫地谷しほりさん)の環境は過酷。
事情があり親権停止された(親権は児童相談所に移る)実母さんが子どもを探し出して再会し、親権を取り戻そうとします。
すでに里親として何年も同居している育て親(山田真歩さん・永井大さん)は、手放したくないと戦います。
どちらの立場にも感情が入ってしまう映画。
舞台となっている鹿児島県の島の自然の美しさにも目を奪われます。
朝が来る
2020年、河瀨直美監督、主演、永作博美さん、井浦新さんで映画化されました。
夫と私はそれぞれ映画館で見て号泣。
発売日前に届いた。
糸ちゃんがもう少し大きくなったらいっしょに見るんだと夫が切望した映画。 pic.twitter.com/Hb3xXDc2rs
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) March 23, 2021
いつか子どもと見たいとBlu-rayを買いました。
中学生の娘がいる、この映画を見た知人は性教育の教本にしたいと言っていました。
漫画
うちの子になりなよ
古泉智浩 著
2015年
漫画家の古泉さんが男の赤ちゃんを里子としてNICUから引き取るところから物語が始まります。
里親日記の内容は、ほぼ子育て日記で赤ちゃんのかわいさが全開だ!って感じです。
里子といっても、普通の子育てと何ら変わりはないですよね。
古泉さんがゴンズイ(魚)にある毒針にさされ、悪夢にうなされているときに、妻に起こされる。赤ちゃんがうんちを漏らしてしまったという。
赤ちゃんの服を脱がせてお風呂場でうんちを流しているときのこと。
黄色いうんちまみれなのに赤ちゃんがヘラヘラ笑っていて、「こんな汚ねえのに平気なのかよ」と、赤ちゃんがうちに来てはじめて嫌な感じがした。
中略
部屋で寝ていても赤ちゃんのうんちの血のまじったような匂いがするような気がして胃が気持ち悪かった。それ以上にそのまま赤ちゃんのことを嫌いになってしまったらどうしようと不安でしかたがなかった。
中略
毒の痛みから解放され元気になると、赤ちゃんはまた「抱っこ抱っこ」となついてくれるようになって、それはもう至福の喜びで抱っこせずにはいられず、「やっぱりかわいいな!」と感じることができて心底安心した。
このまま嫌いになったら…と一瞬でも不安になってしまうのは、里親独特の感情なのかなあと思ってドキドキしました。

章ごとに最後についている四コマ漫画にいやされますよ。
赤ちゃんがかわいいこと!
うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました
古泉智浩 著
2017年
うちの子になりなよの続編です。
特別養子縁組の手続きの流れから完了までを描くなかに、うーちゃん(前作では赤ちゃん)の子育てエピソードが盛り込まれています。
前作と変わらず、うーちゃんの行動がかわいくて、ちょっと謎めいていて、クスクス笑って読んでしまいました。
家裁調査官との面談で「旦那様と添い遂げる気はあるか?」と問われたときの奥さんの正直すぎる答えにぷっと吹き出しました。
妻のあとがきにうーちゃんの気持ちに寄り添いたいけれど、養子としての経験がないからわかってあげられない、この本も、うーちゃんを傷つけてしまったらどうしよう、と夫婦で震えているとあり、うーちゃんを心から想う親心に触れた気がしました。
こちらVコミのサイトから一部読めます。
古泉さんは、2人目になる女の子ぽんこちゃんを養育里親として迎え、いっしょに暮していらっしゃるようです。
セカンド・マザー
あしだかおる
結婚10年目、不妊治療8年目の夫婦、陽介と律子。
44歳になった主人公、律子は最後の砦であった体外受精での妊娠も叶わず、医師から「年齢的にもう限界だ」と告げられる。落ち込みネット検索をしている律子の目に「不妊 養子縁組」「里親 里子制度」の文字が飛び込んできて、律子は思わず児童相談所に電話をかける。
家族から反対され、委託予定の子どもには懐いてもらえず、自信喪失しながらも、前進する律子だったが…。

里親・里子のあるあるがたくさん含まれていて、そうそうと思いながら読みました。
LINEマンガ等で一部無料で読めます。
家族を編む
慎結(しんゆい)著
全3巻。
様々な理由から、産みの親と一緒に暮らせない子どもの幸せのため、子どもと養親のマッチング、産みの親のフォローと日々奮闘している、あっせん機関「ひだまりの子」の若手ワーカー・須田ひより。ある日、熱意ある養親希望者・黒沢夫妻の面談に立ち合うことに。 「かぞく」の形を問いかける、人間ドラマ!
『かぞくを編む』を描こうと思ったのは、あまりにも子どもたちが軽んじられる社会だからです。虐待され、未成年で出産すれば退学、赤ちゃんを手にかければ保護ではなく逮捕され、多くの大人に責められる。幼い頃から性被害に晒され、「幼女」と消費される等々あげたらきりがないのですが、わたしに(続 pic.twitter.com/aw5KARwUtQ
— 慎結🦋新連載準備中 (@jieyuiyuiko) April 15, 2019
パーフェクトワールド
有賀リエ 作
全12巻で完結。
交通事故で頸髄損傷し車椅子生活をしている鮎川が高校時代の同級生つぐみと再会し、さまざまな困難を乗り越えていくラブストーリー。
2019年にフジテレビ系列でドラマ化されました。

ドラマ後も漫画は続いていて、ふたりは結婚し、不妊治療をしたものの子どもを授かることはできず、特別養子縁組の選択をするようです。(私はドラマは見ていましたが漫画は読んでいません)
有賀リエさんは、民間あっせん団体のひとつ、フローレンスを取材したそうです。

特別養子縁組制度の啓発にも協力されているようですね。
厚生労働省の #特別養子縁組 制度啓発につきまして、パーフェクトワールドの特設サイトを公開していただきました。なぜ作中で特別養子縁組を描くことにしたのかもお話しました。よろしければ是非、ご覧ください。
子供を育てたいと願う人へ 特別養子縁組制度|telling, https://t.co/D2xrFuksp5
— 有賀リエ / Rie Aruga (@aru_rie) January 13, 2022

ストーリーがあると制度だけでなく、夫婦で向き合う気持ちの部分での理解などがぐっと深まるように感じます。
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