特別養子縁組 子どもの検診・受診・予防接種の注意点

迎えてからの手続き

特別養子縁組で迎えた子どもと暮らす養親の瑛子えびすこと申します。

特別養子縁組で新生児を迎えた場合、すぐにやってくるのが1ヶ月検診と予防接種です。

入籍前なので、育て親とは苗字が異なり、里親と里子の関係であったり、養育者と同居人の関係であったりします。

親と法的な親子関係がない子どもの対応に慣れていない病院では確認に時間がかかって大変、初めて子どもを連れて病院に行くだけでもドキドキなのに。

気をつけるといいよという点をまとめます。

特別養子縁組の母子手帳についてはこちらで詳しく。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2022/04/28/bositetyou/

1ケ月検診

児童相談所から生後すぐの子どもを迎えたわが家の場合、1ヶ月検診を受ける病院は児童相談所が手配してくれました。

私は病院と直接やりとりをせず、持ちもの(母子手帳など)などは児童相談所から聞きました。

1ヶ月検診時は子どもは養育里親さん宅に委託中で母子手帳など重要書類は養育里親さんあずかりとなっており、同行してくださった養育里親さんが持参してくれました。

養育里親さん、児童相談所の職員さんも同席してくださったので安心でした。

 

児童相談所からの委託では検診の病院は児童相談所や乳児院が手配しますが、民間あっせん団体からのあっせんでは病院の手配を養親が行う場合が多いようです。

民間あっせん団体は全国規模で活動していることがほとんどなので、そうならざるを得ないのではないかと思います。

1ヶ月検診は分娩した病院で行うのが一般的だそうで、検診を受けてくれる小児科を探すのが大変だと聞きました。
委託の打診があった時点(まだいつ生まれるかはっきりわからない状態)で探さなければならないため特に難しいのだそう。

特別養子縁組はまだまだ件数が少なく、小児科も初めての対応となることが多いです。

病院探しは管轄の児童相談所、保健所などに相談し仲介してもらうのがよいと聞きました。

民間団体から迎えた場合でも、児童相談所に同居届を出す必要があります。
地域によっては子育て相談のために、保健所から保健師さんを自宅へ派遣してくれる制度が利用できます。

どちらも子育てに関して頼りになる機関なので、病院探しについても相談されるとよいかと思います。

 

以下は養子に限ったことではないですが、1ヶ月検診でしておいてよかったことです(おまけ情報)

  • 書類の手続きやミルクの準備のあいだ、抱っこしてくれる同行者の確保
  • 医師への質問事項をあらかじめまとめておくこと
  • チャイルドシートやクーハンの練習

 

小児科で予防接種

生後2ヶ月になると始まる予防接種。

半年間で15回以上受けることになります。

どの小児科で受けるか決めて、手続きをしておきます。

予防接種の手続き

わが家の場合は徒歩圏内にある数軒のうち、最もクチコミがいい小児科を選びました。

児童相談所からの委託の場合、児童相談所が予防接種を委託する書類を用意してくれます。

その書類を持って、事前に小児科を訪れました。

予想していた通り、確認手続きに時間がかかりました。

予防接種の予約は電話でもできますが、事前に子どもは連れずに確認手続きを済ませておくと当日スムーズです。

子どもが養子である事情を伝えなければならないので、小児科が空いている時間帯を狙って行くと気が楽ですよ。

 

予防接種の予診票

予防接種の予診票には、遺伝情報やアレルギー情報を記入する欄があります。

児童相談所からいただいた実親さんの情報は最低限で、予診票で問われている質問の答えは正確には「不明」です。

しかし、「不明」では予防接種を受けることができませんので、「いいえ」に○をつけるしかありませんでした。

小児科の先生に「いいえに○をしていますが本当のところはわかりません」と伝えました。
先生はわかりましたと言っただけで、問題なく接種できました。

アレルギー反応が出ないかどうか、接種後30分ほど小児科で過ごして様子を見てから帰っていました(養子に限らず全てのお子さんに共通した対応です)

 

小児科を受診

へその緒を通して母体からもらう免疫(抗体)の効果はおよそ半年。

その期間を過ぎると風邪をひいたり、熱が出たり、体調をくずすようになり、小児科を受診することが増えます。

児童相談所からの委託の場合、受診券という保険証にあたる書類が利用でき、全額公費負担=自己負担ゼロです。

民間団体からのあっせんの場合は転入時に役所で子ども単独で国民健康保険に加入するようです。

手続きに時間がかかることが多く、いったん全額自己負担して、後から申請して返金されることもあるとのこと。

 

実親の許諾が必要になることも

子どもが大きな手術を受けることになったときなどには親権者(入籍前は実親)の許諾を得る必要が出てきます。

そのようなときは児童相談所があいだに入り、実親さんに緊急連絡をとります。

万が一のために24時間連絡が取れる一時保護所の電話番号を教えてもらっていました。

児童相談所は9-17時しか電話がつながらないためです。

民間団体では団体が24時間対応してくれるものと思います。

どうしても実親さんに連絡が取れないような場合には児相が親権を停止して代わって許諾する方法もあるそうです。

 

小児科で呼んでほしい苗字をお願いすることができる

病院での手続きは保険証や受診券が必須の公的なものなので、基本的には戸籍上の産みの親の苗字で行われます。

通称として、育て親の苗字で呼んでもらうようお願いすることができます。

カルテや診察券にふせんで呼んでほしい苗字を貼って、対応してくださる医療機関があると聞きました。

わが家ではそこまでこだわりが無かったので、特にお願いはしませんでしたが、看護師さんによっては苗字ではなく、子どもを下の名前で呼び出すなど気を遣ってくださったこともありました。

また、保健所で受けた、3か月検診のときは情報が共有されていたようで、「どちらの名前で呼ばせてもらうのがいいですか?」と小声で耳打ちされました。

お願いをすれば、たいていの場合はこちらの要望に応えてもらえると思います。ただ実際には窓口のスタッフさんの気遣い次第の面もありそうです。

 

かかりつけ以外の受診

県外の私の実家に滞在中、子どもが発熱し、近隣の小児科を受診しました。

受診券を持参していたので助かりました。(受診券は県外でも使えます)

かかりつけ医以外でも必要に応じて、血のつながらない親子関係であることを告げなければならない事態がありえます。

 

まとめ

・検診や病院受診では手続きに時間がかかるものとして、あらかじめ準備しておく

・予防接種時、遺伝情報が無くて心配な場合は医師に相談を

・受診時、検診時に呼んでほしい苗字をお願いすることができる

コメント

  1. […] 特別養子縁組の子どもの検診・受診などについてはこちらが詳しいです。 https://tokubetsuyousiengumi.com/2021/12/23/kensin-yobousessyu/ […]