特別養子縁組で迎えた子どもと暮らす、瑛子えびすこと申します。
特別養子縁組の子どもの母子手帳についてまとめます。
特別養子縁組の子どもの検診・受診などについてはこちらが詳しいです。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2021/12/23/kensin-yobousessyu/
母子手帳は実母→養親へ
母子手帳は正式には「母子健康手帳」といい、母子のあらゆる情報が記載される母子手帳は子どもにとって、大変重要なもの。
母子手帳は産みのお母さん(実母さん)から育ての親(養親)へ引き継がれます。
児相や民間団体が実母さんからあずかり、養親に渡すのが一般的。
飛び込み出産で実母さんが妊娠中に一度も受診していないようなケースでは、出産後に母子手帳の交付を受けるものと思われます。
実母さんから引き継ぐ母子手帳でわかること
実母さんが妊婦検診を受けていれば、妊娠中からの経過の記録が残ります。
実際には妊婦検診を受けていない、または後期だけ受けている実母さんが多いようです。
妊娠に気付くのが遅かったり、気づいていても経済的理由などで病院に行けなかったり、支援してくれる団体につながってようやく検診を受けられたり、さまざまなケースがあるからです。
実母さんの情報
- 妊娠中、出産時の状態と産後の経過
- 実母さんの身長、体重
- 実母さんの飲酒、喫煙歴、アレルギーの有無
お会いしたことがないので、実母さんのイメージがわかない私にとっては、身長は将来子どもがどのくらいの身長になるだろうかと予想する貴重な材料です。
子どもの情報
- 出生体重・身長
- 出生時の異常の有無
- 1ヶ月検診から始まる検診記録
- 予防接種
- 乳幼児期の発育の記録
出生時の異常の有無は、検診や予防接種の問診票で毎回必ず確認されます。
実母さんの筆跡
手書きで記入された部分があれば、実母さんの筆跡が残ります。
実母さんから手紙をもらっていたりすれば別ですが、そういうものが残されていない場合、母子手帳のサインが子どもにとって実母さんの大切な痕跡になります。
母子手帳の名前は?
母子手帳の名前は
- 実母さんの名前・子どもの名前が書かれている
- 実母さんの名前だけ書かれている
- どちらの名前も書かれていない
とケースによってさまざま。
実母さんの名前も書かれていないケースでは、はじめから子どもを養子に出すことを決めていて、実母さんがあえて書かないでいる場合もあるようです。
実母さんの名前がある場合
- 実母さんの名前も残して養親の名前を書き加えている
- 実母さんの名前はシールなどで隠している
- 実母さんの名前は消している
養親はそれぞれの考えで対応していると聞きます。
使い続けるか、再交付か、養親さんへのアンケート結果
養親は実母さんから引き継いだ母子手帳をそのまま使用できます。
または新たに再交付したものを使用することもできます。
委託・あっせん時(同居を始めたとき・住民票を養親宅に移したとき)や入籍時に役所で再交付を申し出ることができるそうです。
本来、母子手帳は市役所に「妊娠届」を提出して、交付されます。
再交付に必要なもの(出生を証明する書類・印鑑など)は市町村によって異なります。
twitterの機能を使い、養親さんたちにアンケートを取ってみました。
質問1
子の母子手帳は1冊?複数?
質問2 複数と答えた方は
- 委託・あっせん時に再交付
- 入籍時に再交付
- 市販のものを購入
- その他
特別養子縁組の子の母子手帳についてのアンケート結果。
約3/2が1冊、約3/1が複数。
複数ある場合、委託・あっせん時に再交付が最多、入籍時に再交付・市販のものを購入が少数でした。回答くださった皆さま、ありがとうございました。 https://t.co/AJ77cL17HQ
— 瑛子えびすこ (@eebisuko) December 30, 2021
特別養子縁組の子の母子手帳は
- 約2/3が1冊(実母さんから引き継いだものを使用)
- 約1/3が複数持っている
2冊目の母子手帳は委託・あっせん時の再交付された養親さんが多かったです。
【経験談】わが家の母子手帳事情
母子手帳は最重要書類扱い
私たちは児相経由で子どもを迎えました。
自宅に迎えるまで、子どもは養育里親さん宅におり、初めて子どもの母子手帳を見たのは里親さんのお宅。
児相が養育里親さん宅に子どもを措置している形なので、母子手帳は里親さんが管理されていました。
里親さん宅から行った、1ヶ月検診時も里親さんが同行し、母子手帳を持参されました。
母子手帳が私たちに託されたのは正式委託になってから。
受診券(保険証の代わり)などといっしょに県の規定のケースに入れて渡され、母子手帳は厳重に管理するよう言われました。中身のチェックリストもありました。
児相の担当さんや、里親専門支援員さんが自宅を訪問されたときは、そのケース内の書類がそろっているかどうか毎月確認されました。
母子手帳はそれだけ重要なものということですね。
母子手帳の名前の実際
わが家の子どもの母子手帳は1冊。実母さんから引き継いだもののみです。
引き継いだとき、母子手帳には「実母さんの名前」のみが書かれており、子どもの名前はありませんでした。
保護者の氏名の欄に養親の名前を書き足しています。
実母さんの名前を消したり隠したりはせず、カバーをつけて使用しています。
再交付を受けなかった理由
私たちが再交付を受けなかった理由は再交付を受けるタイミングがなかったから。
私たちの場合、子どもの住民票をわが家に移したのは入籍後(児相の方針です)
同居を始めて約1年が経過して、数々の予防接種、検診が済んでいました。予防接種の欄はとても細かく、使用された薬のロット番号が貼られています。
母子手帳の再交付が受けられることは知識としてはありましたが、今さら新しい母子手帳をもらっても結局は内容が2冊に分かれる…となってしまいました。
記入したページを切り取って新しい母子手帳に貼り付けることはできなくないですが、そこまでしなくてもよいかと思いました。
もし再交付を受けて新しい母子手帳を使用するつもりなら、なるべく早い段階で使い始めるとよいと思います。
表紙のふたつの名前にドキドキ
母子手帳はさまざまな場面で確認されます。
- 検診
- 予防接種
- 小児科受診
- 保育園入園時の面接
(小学校入学時も確認されるようです)
2才半検診のときのこと。
誕生日が数日違いの保育園のお友だちが同時に検診を受けていました。(お友だちや保護者には養子であると伝えていません)
普段、母子手帳カバーを使用していますが、検診で母子手帳をあずけるようなときはカバーを外さないといけません。
母子手帳は市町村によってデザインが異なるため、実母さんの在住市で発行された、私たちの子どもの母子手帳は他の大多数の子たちと違うデザイン。
表紙の保護者の欄には苗字の違う2つの名前。
ドキドキ、落ち着かない気持ちでした。
自分が気にするほど周りは気にしていないよとその場にいなかった夫は言いましたが…やはり少し気になりました。
今後出てくるであろう問題
小学校では2年生で「生い立ちの授業」、4年生で「2分の1成人式」があることが多く、母子手帳を持参するよう言われることもあると聞きます。
その場合にどうするか。
その頃には「子ども自身がどうしたいか」がはっきりしていると思うので、子どもの希望を聞き、学校の先生と相談しよう考えています。
特別養子縁組での母子手帳についてまとめ
- 母子手帳は最重要書類
- 実母さんから引き継ぐのが一般的
- 幼児期まで使用機会は多い
- 委託あっせん時、入籍時などに再交付可能
コメント
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