家庭養護促進協会 岩崎氏に学ぶ「真実告知」のタイミングと伝え方

特別養子縁組の基礎知識

特別養子縁組で迎えた子どもと暮らす瑛子えびすこと申します。

養子の子育てが実子の子育てと異なる点は

  • 試し行動
  • 真実告知
  • 思春期
  • ルーツ探し

そのひとつ、真実告知について、そのタイミング、伝え方などを家庭養護促進協会の岩崎美枝子氏の講演内容(3回ほど聞きました)、著書を中心にまとめます。

試し行動についてはこちらに詳しく書いています。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2022/03/14/tamesikoudou/

参考図書はこちらです。

 

真実告知で何を伝えるか?

真実告知とは、「私は、あなたの本当の親じゃないんだよ」と、言うことではありません。子どもに伝えていただきたいことは、「父さんと母さんは結婚して、そして子どもがほしいと願った。一生懸命努力したけど、子どもが生まれなかった。それでも子どもの親になりたくて、神様に毎日毎日お願いをしていたら、こんなに可愛い○○ちゃんが、うちの子になってくれたんだよ」ということです。

子どもの養子縁組ガイドブック P147~148 より

 

何を伝えるのか~真実を伝える~

1.私たちは、私たちの子どもとして、ほかの誰でもなく、あなたに出会えたことに感謝し、とてもうれしく思っている

2.あなたが、私たちの子どもであることに満足している。

3.あなたをとても可愛く思っており、心から愛している。

4.私たちは、血のつながりはないが、間違いなく親子であり、これからもずっ親子であること。

養親ゼミナール はじめての告知 0歳~3歳~7歳 レジュメより

 

岩崎氏ははっきり言い切りました。

真実告知とは『愛』を伝えることです

 

真実告知はなぜ必要か?

真実告知が必要な理由のひとつは秘密をつくらないため。

家庭内に秘密があると家族内に緊張感が生まれる。

秘密がばれないように重ねられるウソ。

子どもは何かおかしいと感じ、違和感を持つことがよくあります。

不健康な家庭になってしまいます。

たしかに、家庭に隠しごと(=触れてはいけない話題)があると、子どもは違和感を感じ取って、それに触れてはいけないと気をつかったり、不信感が募ったり。家庭全体が不健全になるのは想像がつきます。

 

もうひとつの理由は、子どもには出自を知る権利があるため

出自を知る権利とは、自分自身を「人」として構成している遺伝子や生物学的関係を知ることを保証されている権利のことです。

 

真実告知しない選択肢はある?

家庭養護促進協会が行った養親への調査で、現状3%程度が「真実告知をしないつもり」と答えているそうです。

以前に行った同様の調査では10%程度がしないと答えていたので、徐々に真実告知はするものという認識が広まっているのではないかと岩崎氏は言われていました。

 

真実告知をしないとどうなるか

子どもは成長過程で、養親との外見的な違いなどにより自然と何かしらの違和感を抱くことが多いそうです。

特別養子縁組の戸籍には「民法817条の2による裁判確定日」と記載されます。これが何を意味するかはインターネットで検索すればすぐにわかります。

まず養子である事実を隠し通すことはできません

養子であることを心の準備がない状態で偶然に知ってしまったり、人づてに伝わったりすると子どもが受けるショックはとても大きいものになります。

だまされていた!
嘘をつかれていた!
周りはみんな知っていたのに!

子どもと養親との関係に亀裂が入る未来が待っています。

十分に配慮された環境で養親の口からきちんと伝えることが望ましいのです。

 

真実告知はいつ始める?

最初の真実告知は3歳前後から4歳頃。

遅くても7歳まで。

4歳になると言語能力も伸び、聞き取った内容を内省化することもできるので、告知をするのに適当な年齢です。

7歳は言語能力も、養子である事実もある程度具体的な理解ができます。3~5歳で告知した場合でも、再度理解を深めるために具体的な話をするのに適当な年齢です。

 

早期に伝えた方がいい理由

もちろん3歳より前に始めてもよいです。

「あなたのことが大好きよ」「あなたのママになれてとってもうれしいわ」と子守唄を聞かせるように、赤ちゃんのころから伝えるのもよいです。

くり返しになりますが、まずは「血がつながらない事実」より「あなたを愛している真実」を伝えることが重要です、ことばの理解が十分でない年齢では特にそうです。

小さな子どもほど、素直に受け入れることができます
ことばで愛を伝えられることは子どもにとってメリットがあります。

また養親にとっても、ことばが十分に理解できない年齢の子どもに伝えることは心理的な抵抗感が低く済みますし、くり返し口にすることで次第に慣れて子どもが理解できる年齢になっても自然に口にできるようになります。

養親の真実告知のハードルを下げるためにも、なるべく早くから伝えることがよいのかもしれませんね。

 

どのように伝えるか?オリジナリティーのある真実告知を

人を真似するのではなく、「私たち」はどんな風に話すか、夫婦でよく準備しておくよう岩崎氏は勧めておられました。

配慮すべきは、子どもの年齢や理解度に合せた表現を用いること。

子どもの年齢によっては、「神様に毎日毎日お願いしていたら、神様から『あなたを待っている子どもがいますよ』と電話がかかったきた」とか「サンタクロースさんにかわいい子どもがほしいですとお願いした」など、ときにファンタジーを交えてもよいと言われていました。

「やさしく、わかりやすく、やわらかい声で」の雰囲気も大事です。

 

真実告知の注意点

生みの親のことを「実の親」「本当の親」と表現すると、養親は本当の親ではなくなってしまいます。

「生みの親」という表現を用いるのがよいでしょう。

あくまで本当の親は、養親であるのだから、と岩崎氏は言われていました。

 

伝えるタイミングは?

真実告知のタイミングは

  • 誕生日など十分に準備した意図した場面
  • 日常生活で「今だ!」と感じた場面

両方がよいのではないかと岩崎氏は話されました。

意図した場面としては、誕生日・入園式・家族旅行など楽しい雰囲気のとき。

日常生活場面では、例えば、

  • 友だちの家に赤ちゃん(妹や弟)が生まれた、○○ちゃんが生まれたときもそうだったの?と聞かれたとき
  • テレビで出産シーンが流れて、○○ちゃんもママのお腹から出てきたの?と聞かれたとき

などが挙げられます。他にも

  • 親子の親密な時間が流れて「今なら言える」と養親が感じたとき

 

特に日常生活でのチャンスを逃さないことが重要。
子どもが伝えるべきそのときは突然やってくる可能性があります。

あわてないように準備をしておく必要があると言われていました。

 

伝えにくい事実も伝えるべきか

真実告知が進み、ある程度、子どもの年齢が上がると、子どもが実親のことを知りたい、なぜ自分は養子に出されたのかと言い出す日がおそらく来ます。

そのときに実親や養子に出された事情について、どこまで正確に伝えるかは難しいと岩崎氏は言われていました。

例えば、実母がレイプされて妊娠したようなケース。

子どもに聞かれれば答えるといったスタンス、うそはつかないがあえて養親からは触れないことを選択する場合もあるとのことでした。

 

子どもがいつでもたずねられる雰囲気を

個人的な理解では、小さい頃はとにかく

「あなたと出会えてよかった!」

「うちに来てくれてありがとう!」

「あなたが大好き!」

ポジティブなメッセージを伝え続けることが大事ではないかと思っています。

子どもとのあいだで「タブー」を作らないことが目標です。

「不安や疑問に思うことがあったら、いつでもお父さんやお母さんに聞いてね」と伝えていきたいです。

いつ、何を聞いてもいいオープンな雰囲気、そのような親子関係を作っていけたらいいなと思っています。真実告知に限らず、性教育についても同じだよねと夫と話しています。

 

特別養子縁組の真実告知 まとめ

  • 告知が必要なのは「秘密をつくらないため」
  • 最初の真実告知の時期は3歳前後~4歳頃、遅くても7歳までに
  • タイミングは「日常のちょっとしたチャンス」+「意図した場面」
  • 伝えたいのは「あなたを愛している」という真実

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