養育里親にむけた初回面接

養育里親手続き

特別養子縁組で迎えた子どもと暮らす瑛子えびすこと申します。

私たち夫婦は養育里親の里親登録にむけて動き始めました。
共働きを続けながら、ご縁があればもうひとり里子を迎え入れたいと思っています。

初回面接でどのような質問をされたのか、まとめます。

子どもの委託や里親の状況は各児相の方針で全く異なります。参考程度にお読みください。

 

仕事と生活スタイル

夫婦それぞれの仕事内容と一日のタイムスケジュールをたずねられました。

私も夫も時短勤務中であることを伝え、何時頃、どちらが子どもを保育園に送り、迎えに行くか、食事やお風呂の段取りをどうしているかなどについて話しました。

 

なぜ養育里親になりたいのか

いちばん聞きたいのはここです、と前置きをされました。

私たちは養子として迎え、特別養子縁組が成立した子どもと暮らしています。

このまま子どもはひとりでいくか、里子を迎えるかの選択でした。
もうひとり養子を迎えるという選択肢はほぼ考えませんでした。

 

養育里親になりたいと思った理由は4つ。

1つめは施設にいる子どもに何かしたいという気持ちです。

養子縁組里親登録のために乳児院、児童養護施設で実習をした経験もがとても大きかったと思います。
初対面の私にぴったり身体を寄せてきて離れなかったり、私の手を奪い合うようにつないだり、明日は来ないとわかるとすっとあきらめて離れていったり、そんな子どもたちの様子が忘れられません。

施設の職員さんたちは優しくて熱心でしたが、やはり子どもと向き合う時間に限りがあり、1対1で向き合い続けることは難しいです。

施設で過ごす子どもに家庭で暮らすチャンスをひとつでも作れるのであれば、挑戦してみたいと思いました。

 

2つめは地域のニーズです。
県の状況を調べたときに、養子縁組で子どもを迎えたい養親希望者が待機しているのに、養育里親は慢性的に不足していると知りました。

 

3つめは経済的理由です。
大学・大学院への進学(家から離れて一人暮らしをすることも含めて)を想定し、なるべく奨学金に頼らず、教育資金を作ることを計画すると、子どもはひとりしか難しいと考えました。
子育てを開始したのが遅い(私40代、夫30代後半)ため、子どもが20歳になるとき私は還暦です。教育資金と同時に自分たちの老後の資金も貯めなければならない点も考慮しています。

里子を育てる場合は、生活費や里親手当が県から支給されます。
里子のためには支給分から将来の資金を少しずつでも貯めていけるのではないかと考えました。

 

4つめは単純にみんなにとっていいことだと思うから。

里子にとってだけでなく、子ども、私たち里親にとっても、一緒に暮らす仲間が増えることはいいことだと思っています。

大変なことは多いでしょうが、子どもが複数いることでお互いに学べることはぐっと増えるだろうと思います。

 

地域の社会的養護の状況

児相管轄内に児童養護施設は数カ所。

入所している子どもは多くいるが、実親から子どもが里子になる(養育里親に委託される)ことへの同意が得られるのはごく一部。

同意しないケースだけではなく、そもそもそのようなところまで話がいかない(話し合いの場についてもらえない)ケースも多いそうです。

県内の違う児童相談所の管轄下の児童養護施設にいる子どもが対象になる場合があり、やや遠方の施設に子どもとの交流に行かなければならないこともあると言われました。

 

対象はほとんどが虐待を受けた子ども

養育里親に委託される子どものほとんどが虐待を受けた傷ついた子どもであることを念押しされました。

育てている子ども(養子)は生後2週間で初対面し、生後1ヶ月半からいっしょに暮らしています。

出会う前の環境が子どもにどう影響しているだろうか、今経験している子育てとは全く勝手が違うことが予想されました。

 

子どもとの交流期間

委託の打診を受ければ、子どもとの交流が始まります。

仕事が休みの週末に行く、まとまった休みがあれば続けて会いに行く、いっしょに外出するなど段階をふんでいきます。

初めは(育てている)子どもを連れずに、会いに行くことが望ましい場合もあるので、子どもを誰かにあずけるか、夫婦のどちらかが行って、交流することも考えなければなりません。

交流期間は子どもによっては半年以上かかる場合もあるそうです。

とても慎重に進めているそう。

 

里親として受け入れられる条件

短期委託か長期委託か

保育園などで子どもの怪我が見つかり、虐待が疑われるようなケースでは、その日のうちに一時保護して、施設か里親の元に措置されるそう。

短期委託は「今日から受け入れできますか?」と急なお願いになることがほとんど。

わが家のように共働きで、緊急対応ができない場合は、短期委託は難しい、前述のように交流期間を持っての長期委託であれば、可能。

実際に地域の里親さんで、学童や放課後デイサービス等を利用しながら、共働きで委託を受けている養育里親さんもいるとのことでした。

 

子どもの性別

性別の希望を聞かれ、私も夫も「どちらでも」と返答。

子どもがいる家庭に長期委託する場合は、10年後、15年後を想定して、実子と同性の子どもを委託するのが原則らしいです。(おそらく児相の方針による)

 

子どもの国籍・障害など

私も夫も国籍は問わず、障害は仕事を続けながらサポートできる程度であれば受け入れられますと答えました。

おふたりの生活スタイルを変えない範囲でと当然考えていますと言われました。

 

頼れる親族は身近にいるか

祖父母などのいざというときに頼れる親族がいるかと聞かれました。

私たちはどちらの実家も遠方です。

事前にわかっているのであれば、母や義母に来てもらうことは不可能ではないですが、コロナの状況下で、子どもを双方の祖父母にほとんど会わせられていないのが実情、現実的ではありません。

現在、保育園から急に呼び出しがかかったときや子どもの体調不良が続くときに、どのような対応をしているかをたずねられました。
仕事の状況によって夫婦どちらかが早退する、休みが続くときは交代で休みをとるなどの方法で、どうにか夫婦ふたりで対応できていると話しました。

今後は、ファミサポなどのサービスの利用も検討したいと伝えました。

 

養子と里子をいっしょに育てる難しさ

面接者:養子と里子をいっしょに育てることになりますが、立場が違うふたりをいっしょに育てることについてどう考えますか?

この質問がいちばん答えにくく感じました。

養子を育ててきて、目の前にいる子どもを養子だと意識することは徐々に少なくなっています。
里子の場合、何か違いを感じるのかどうか私にはまだわかりません。

面接者:実子との違いは、育てる期間に終わりがあるということですかね。

夫:養育里親と里子は、原則、期間に限りがある関係ですが、18歳の委託解除のあともサポートしていければいいなと思っています、もちろん里子が望めばですけどね。

そういうお考えならありがたいです。

18歳で自立できる子どもばかりではないと思います。里子・里親の関係が終わってもいっしょに暮らしている方たちもいますか?

大学に進学した場合など、1年ずつ更新が必要ですが、措置を延長することができますよ。

そうなんですね。住むところがあって、家賃が必要ないだけでも経済的には助かりますよね。

はい、そうです。経済的な面もそうですが、精神的に頼れる人がいるということはとても大きな意味があると思います。

 

養育里親で育児休業は取れるか

特別養子縁組で子どもを迎えたときは、夫婦で育児休業を取りました。
特別養子縁組を前提にした委託の場合は入籍前の試験養育期間も育休の対象です。

養育里親の場合、法的に育児休業は認められていません。

どうしても休みが必要となれば、有休を使う、それ以上の期間なら職場にかけ合い、休職することは認めてもらえるかもしれません。

ただし、法的な育児休業とは違うので、育児休業給付金の支給は対象外、無給となるだろうとお話しました。

 

まとめ

養育里親の面接で聞かれること

  • 養育里親を志望する理由
  • 受け入れる子どもの条件
  • 生活スタイル
  • 頼れる親族の有無

最も重要なのは「志望理由」だと思います。
この点は面接前にしっかり考えをまとめておくとよいと思います。

また、実子がいる場合はその子の気持ちや、実子と里子をいっしょに育てていくことについての考えはある程度もっているとよいのではないでしょうか。

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