特別養子縁組で迎えた子どもと暮らしています。瑛子えびすこと申します。
特別養子縁組にかかる費用について、児童相談所から迎えた場合と民間あっせん団体から迎えた場合を比較します。
民間あっせん団体別の比較はこちら。
児童相談所の場合
里親認定にかかる費用
児童相談所から委託を受ける前提として、都道府県の里親認定が必要です。
里親認定のための費用は
- 研修費
- 交通費
- 健康診断の費用
- 住民票の取得費
などの実費のみです。
健康診断は職場などで受けているものの結果があれば使えます。
児童相談所から子どもを迎える費用
基本的に無料です。
児童相談所の職員さんや里親専門相談員さんなど、たくさんの方が支援してくださいますが、お金はかかりません。
児童相談所は都道府県の機関なので、職員さんたちの人件費は税金等でまかなわれるからです。
都道府県から支給される委託費(生活費)
児童相談所からの委託では、縁組が成立するまでのあいだ、養子縁組里親として子どもを育てます。
都道府県から毎月、委託費(一般生活費)が支払われます。
乳児 5万7290円
乳児以外 4万9680円
(2016年度の月額 産まなくても、育てられます P162より)
児童相談所からの委託の場合、試験養育期間の6か月を超えてから申し立てをして、入籍まで1年程度かかるケースが多いようです。
およそ1年間、毎月5~6万円程度のお金が出るのはとても大きなことです。
委託が開始されるときには支度金が4万程度、その他、暖房費等が支払われます。
受診券(一般の保険証のようなもの)があるので、医療費は無料(公費で負担)です。
児童手当も受給できますが、児童相談所から使わず貯めておくように言われることが多いです。万が一、委託が解除になった場合に子どもに持たせないといけないのが理由のようです。
児童手当は同居と同時に受給できる自治体と入籍してから同居月までさかのぼって受給できる自治体があるようです。
民間あっせん団体の場合
団体登録のための費用
里親認定のための費用と同様で
- 研修費
- 交通費
- 健康診断の費用
- 住民票の取得費
などが必要です。
民間団体によって、登録のための必要書類が異なります。
民間団体の1つである「あんさん協」では女性には乳がん、子宮頸がん、子宮体がんの検査結果が求められるため、別途検診費用が必要となります。
団体によっては家庭訪問のための交通費なども負担する必要があります。
民間団体から子どもを迎える費用
実費の数十万から数百万まで、幅が広いです。
民間団体の費用比較はこちら。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/07/26/minnkann-hiyou-hikaku/
ケースごとにかかった費用を請求する団体と、一律の手数料を決めている団体とがあります。
あんさん協のように基本的な手数料は無料で、教育入院費(子どもといっしょに入院をして沐浴などを習う)などの実費のみなら、数十万の場合もあります。
ケースごとにかかった費用を請求される場合でも、実母さんの出産までの生活費や入院費などを養親が負担する場合だと、100万を超えてくることが多いようです。
またケースに関わらず手数料が100万、150万と一律の団体もあります。
民間団体から子どもを迎えた場合も、児童相談所が関わりますが、児童相談所からの委託のような委託費(生活費)は支給されません。
児童手当は受給できます。
民間団体の費用が高額な理由、民間団体によって費用に差がある理由を書いています。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/31/minnkann-kougakuhiyou/
あっせん以降にかかる費用
委託時のみ費用が必要な団体と、委託後も団体の会員として会員費が必要な団体があります。
例えば、babyぽけっとでは年会費が必要です。
年間(毎年度 4月1日~3月31日) お一人様 一口 5,000円
当会にて養子縁組を行ったご家族には当会正会員としてご登録いただきます。
会費はお一人様一口5,000(ご夫婦で10,000円)とし、何口でもご加入いただけます。
正会員は会が主催する各交流会(すずらん会・たんぽぽ会)や真実告知シンポジウム、また当会の総会へ参加することができます。
会費は、何らかの病気や障がいがある子供たちの「ぽけっと基金」や「交流会の補助金」に使わせて頂いております。
民間から迎えた場合の補助金
民間あっせん団体からのあっせんを受けた家庭むけの都道府県からの補助金の制度があります。
対象になる都道府県は限定されます。
児童相談所からの委託との費用の差が指摘され、その差を埋めるためにできた補助金のようです。
どの都道府県に住んでいても受けられるようになるといいですね。
結論:児童相談所からの方が圧倒的に費用負担が少ない
子どもを迎えるための一時的な費用の差だけでなく、児童相談所からの場合の措置費の支給はかなり大きいです。
民間団体=あっせん費用がおよそ150万円かかる
児童相談所=約1年間分の措置費60万円支給される
費用面では圧倒的に児童相談所から迎えた方が負担が少ないです。
ただし、問題は児童相談所からの委託率は非常に低いということです。(地域差がかなり大きいです)
そのため、児童相談所で認定をもらって数年経っても委託がなく、民間に登録する方もいます。
単純にお金の問題だけなら、児童相談所が間違いなくよいですが、時間と確実性を優先するために民間団体を選ぶのもありだと思います。
児童相談所から子どもを迎えた私たち夫婦のお金の経験談はこちら。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/06/03/okane-keikenndann/
児相と民間のメリット・デメリットをまとめています。よろしければこちらも参考に。
https://tokubetsuyousiengumi.com/2019/11/06/zidousoudannjo-minnkann/
コメント
[…] 児相と民間の費用を比較しています。 https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/31/okane-zisou-minnkann/ 児童相談所か民間か特別養子縁組のお金 シェアする Twitter Facebook […]
[…] 特別養子縁組にかかるお金 児童相談所と民間団体の費用比較 特別養子縁… […]
[…] 児相と民間の費用の違いについての詳細はこちら。 https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/31/okane-zisou-minnkann/ […]
[…] お金の問題も不安を感じる部分だと思います。 特別養子縁組にかかるお金は児童相談所と民間団体では大きく異なります。 https://tokubetsuyousiengumi.com/2020/05/31/okane-zisou-minnkann/ […]
[…] […]